
「ねぇ。そういやホテル調べてくれた?」
車が走り出してから僕は彼女に尋ねた。
そう。まだホテルが決まってないし、予約もしていない。今回は行き当たりばったりの旅なのだ。
「多分あそこのホテルで大丈夫よ」
「どこ?」
「チェックポイントに少し近いところ」
チェックポイント。
ここはアンヘレスの遊楽街。
ここアンヘレスには米軍のクラーク基地が有った。というか、今も活動さえしてはいないが、基地自体はそのまま残っている。その周辺に米軍の兵士たちの為にGOGOBARなどが密集している。今はどうか知らないが、8年前僕が友人たちと来た時は30件ぐらいのGOGOがひしめいていた。

8年前に来た時はパンパンガの惨状に驚かされたものだ。何しろあたり一面灰だらけ。1995年のピナツボ山の噴火で灰が雪のように積もっていた。
家の二階まで埋まっているところもあった。
高速道路から眺めただけだったのだが、あたり一面灰色。

ブルドーザーなどが近隣の国から、国際援助に来ていたものだ。
目の当たりにして、その噴火の酷さがうかがえた。
それにしてもあれから8年。
その惨状の痕跡は今は殆ど見ることが出来ない。
よくもこれだけ綺麗になったものだと感心した。
道を走っているとなんとなく見たことのある風景。
そう、チェックポイントだった。
近くの商店街は近隣の住民が買い物にきて、結構ごった返している。
その道をすり抜けまっすぐと走る。
チェックポイントから500メーターほど走っただろうか。左手に【OASIS】の文字とやしの木のネオン管の看板が。そう、これが今回僕が泊まる予定のホテルだった。

ゲートに入るとホテルかと思いきや、そこはひとつのビレッジ。そのずっと奥にこのホテルはあった。
車を止めて二人はロビーに向かって歩き出す。
人のよさそうなスタッフが、笑顔で僕らを迎えてくれる。
ホテルの中には白人の姿がちらちらと見える。

そこで僕は部屋の状況と値段を尋ねた。
「ここ部屋は空いています?」
「ええ。空いていますよ」
「そうですか。予約してないんだけど・・・」
「大丈夫です。但し、今日はツインしか空いていませんが」
「そうですかぁ。まあいいでしょう。いくらぐらいですか?」
ここは結構ちゃんとしたホテルだった。
田舎の安ホテルをイメージしていた僕は、結構ちゃんとしていたので、気に入ってしまった。エントランスの雰囲気もいいし、スタッフの対応も結構いい。
値段はスタンダードで2050ペソ。日本円で4100円か。デラックスで2800ペソ。違いは、部屋の広さとバスタブが有るか無いかの違い。僕は1週間の予定だったので、とりあえずスタンダードタイプに決めた。予算もそんなに無いしね。(笑)

早速車から荷物を降ろし、部屋に向かう。
彼女もここは気に入ったようだ。
部屋に入るとやや狭いがまあ、こぎれいな部屋だった。
部屋の形式はコテージ風で、横一列にずーーっと並んでいる。
ベルボーイにチップを渡し、部屋の鍵をもらう。
「センキュー サー」
ボーイはチップをサッとズボンのポケットにしまい込み、入り口のドアを閉める。
あ〜あ、やっとここまで来たな。
二人は「ボスン」とベットに転がり込む。
と言っても今日はツイン。
シングルベットが二つ並んでいるところ。
そのひとつに二人で横になったら、結構窮屈(笑)
僕は旅の疲れか、少し眠たくなった。
彼女も聞けば昨日友達の誕生日で飲みすぎて、頭が痛いという。
「少しねるか?」
「うん。そうね。ちょっと疲れちゃった」
僕らは少し寝る事にした。
が、久しぶりの再開。
KISSをして、僕らはしばらく折り重なるようにして眠りについた・・・。

【日記の最新記事】









